危険物の無申告積載についてのご注意とお願い

2025 年 7 月吉日


お客様各位


株式会社 コスモトランスライン

輸出営業部

 

拝啓 貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 昨今、混載便の海上輸送において、危険物を無申告のまま一般貨物(非危険物)として輸送する事案が発生いたしました。
 無申告危険物の輸送は、安全な海上輸送を脅かすリスクとなります。
つきましては、お客様に危険物申告を正確に行っていただくために、ご注意とご対応いただきたい点についてお知らせいたします。
 今後とも安全な貨物輸送の実現に向け、関係の皆さまのご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

1.事案概要

 メーカーが「危険物」に分類した化学品であったにもかかわらず、荷主側で「危険物」という認識がないまま、一般貨物としてフォワーダーへ発送を依頼した。荷主の申告に従い、一般貨物(非危険物)として当該貨物を許可後バンニングしたのちヤードへ搬入した。その結果、危険物としての認識がないまま混載便で輸送(無申告危険物輸送)する事態に至った。

 

2.発覚した経緯

 積載船社からフォワーダーへ当該貨物が危険物に該当する疑いについて連絡があった。荷主経由で最新の SDS を確認した結果、国際海上危険物規定(IMDG コード)に登録される危険物であることが判明した。
 当該貨物の輸送を開始した当初にメーカーが作成した SDS では、当該貨物は非危険物として分類されていたが、改訂後の SDS では危険物へと分類が変更されていた。荷主には分類が変更された認識はなく、一般貨物(非危険物)として発送を続けていた。

 

3.お客様へのお願い

 化学品等の危険物を発送される荷主様におかれましては、以下の点につきまして、確実に実施いただきますようご対応をお願いいたします。
・弊社/通関業者へ、発送する貨物の最新の安全データシート(SDS)を必ず提供いただくこと。
・荷主側で最新の SDS を活用のうえ、発送する貨物が「海上危険物」に該当するか否かをご確認いただいたうえで、CFS への発送を行っていただくこと。
・万が一、輸送される貨物が「非危険物」から「危険物」に分類変更となった場合、速やかに弊社/通関業者へ通知いただくこと。

 

【危険物該当であった貨物例】

CLASS 2.1/1950 パイプ洗浄剤
CLASS 3/1993 パイプ洗浄剤/車載消臭剤
CLASS 8/1760, 1791
洗濯槽クリーナー/浴室カビハイター/パイプ洗浄剤/トイレクリーナー/洋服漂白剤/台所クリーナー

 

【安全データシート(SDS)上で確認すべきポイント】

 「14.輸送上の注意」に貨物の国連番号、正式輸送品目名(Proper Shipping Name)、国連分類等の記載がある場合は、海上危険物に該当する可能性が高いです。国際海上危険物規程(IMDG コード)をご確認のうえ、規定に従って書類・貨物のご準備をお願いいたします。


 同様の事案における罰金額は船社により異なりますが、一例として US$100,000/CONTAINER の請求が発生した事案がありました。危険物の無申告または誤申告が発覚した場合、船社への罰金および積出港、積替港、積卸港にて発生したすべての関連諸費用および弁護士費用は、荷主様のご負担となります。

 危険物に該当するか否かの判定については、荷主様の責任において、SDS 等に基づき慎重に行っていただきますよう重ねてお願い申し上げます。


※参考(危険物についての通知義務に関する改正)
法務省 商法及び国際海上貨物運送法の一部を改正する法律について

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00219.html

 

以上